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言葉があふれそうになったので、こんな時間にブログを書きます。
今日は少し早く帰れたので、映画「バベル」を見ました。
とても悲しくて、とても良い映画でした。
まず、「バベル」というタイトルが素敵だと思った。
別々の言語を話す、別々の国の人たちがそれぞれの世界の中で、
それぞれの問題にぶつかりながら生きている話で、
それぞれの問題でありながら、ひとつの出来事で少しだけ結びついている。
ストーリーに関して詳細は省くけど、
モロッコ、アメリカ、メキシコ、日本、それぞれの場所で生きている登場人物たちは、
生き方は全く違えど、誰かを大事に想い、誰かに助けられ、誰かを傷つけ、気持ちを動かされている。
誰しも、自分ではどうにもできない悲しさを抱えている。
「どうにもできない悲しさ」に気付いている、気付かされる。
「どうにもできない悲しさ」は、今、この現実にもみんな抱えているものだと思う。
それは、私には想像もできない過酷な現実もあるだろうし、孤独感もあると思う。
孤独感ってなんだろう、と、この2年くらいずっと考えてきた。
誰もが抱えていて、誰も救えない。救われない。
孤独感からの解放を求めて、恋や酒や食や性に溺れてみたり、自己表現したりする。
でも結局、完全な解放はありえないのだとどこかで気付いてしまう。
私もずっと、孤独感からの解放を求めて、あがいてきたと思う。
今でもそうだと思う。
でもやっぱり解放される事はない。
「バベル」の泣けるところは、
人は、誰かの「どうにもできない悲しさ」をどうにもできないと知りながら、
それでも救いたいと思うものであることが、描かれているところだ。
救えない孤独感を、それでも救いたいと手を差し伸べることに、愛を感じるからだ。
私が好きだと思う映画や物語は、決まって、孤独感と丁寧に向き合っていることに気付いた。
私が好きだと思う人たちは、孤独に気付いている人が多いことに気付いた。
私の愛は、大事な人の孤独感を、埋める事ができないと知りながらも、
それでも、少しだけでも、埋めることができればと願うことに気付いた。
私の絵が、誰かの孤独感に共鳴し、寄り添うことが出来ればいい、と思う。
人の孤独は全部は救えないけど、ちょっとは救える。
救いたいと願う。
だから私は人が好きだ。その可能性を信じたい。
私は今日、頂いた一通の手紙に救われました。
その手紙は、きっとこれからの私の自信になり、支えになり、勇気になり、力となる。
今年は良い映画にたくさん出会えました。
特に覚えているのが、「レナードの朝」、「ダークナイト」、「ドッグヴィル」。あと「皇帝ペンギン」。
好きなものの共通するキーワードが「孤独感」であることには気がついたけど、
個々の物語は無数に生まれ続ける。一生それを追い続けていくのだろうと思う。
物語と別のところで、好きな映画は、映像の湿度にあると思ったのですが、
それはちょっと眠いので別の日にかきます。。。。
「バベル」の映像は、国ごとによって別の監督が撮ったのかと思う程、すばらしかったです。
日本のシーンは邦画のような湿度を感じました。(夜の室内は少し中国の映画の様な青さを感じたけど)
まるで旅行をして、各国の空気に触れた気分です。
気付きのある、よいクリスマスでした。
おやすみなさい。