2011年12月20日火曜日

ニュージーランドと本の話

来週木曜日から、ニュージーランドに行きます。
写真をたくさん撮ろうとか、向こうにワーホリで行ってる友だちとたくさんお喋りしようとか、
楽しみなことはたくさんありますが、何の準備もできていません、困った。

観光ガイドを見るより、現地に住む人のブログを読んでNZへの気持ちを高めています。
ガイドブックで行くより、口コミで行く旅にしたいので、おすすめがあれば教えて欲しいです。

シンガポール経由で向かい、
31日にクライストチャーチについて年越し。
次の日はクイーンズタウンへ行き一泊、
クイーンズタウンからマウントクックを経て、テカポ湖に行きそこで一泊、
またクライストチャーチに帰ってきて一泊し、帰国の予定です。
移動が多いのでバックパックで行きたいし、極力荷物を減らさなきゃ。
宿泊は友人の友人のお家に泊めてもらいます。
連絡用にwifiの端末だけは借りて行こう。ネットだけは繋がるようにしときます。


クライストチャーチは31日にゆっくりまわれそうだけど、どこに行ったらいいのかなー。
アートセンターは絶対行きたい。キウィも見れたらいいな。
今回は街中をまわるというよりマウントクックとテカポ湖と、雄大な自然を見る旅になりそうで楽しみです。
友だちがいろいろ手配してくれて本当にありがたいです。
クライストチャーチは今年頭の地震の痕がまだあちこち残ってるらしい。
一番有名な大聖堂は未だ立ち入り禁止とのこと。
日本は震災後の今、どんな状況なのかそれくらいは説明できるようになっておきたい。
今回は、予定を詰め込むより、のんびり散歩したり広い風景を見て深呼吸したり、そんな旅にしたいです。
写真、たくさんたくさん撮ってこよう。


最近、本を数冊お借りして、この本を読み終わりました。



この本読んだら旅に出たくなるなあ。
観光旅行ではなく、放浪の旅についてどれだけ魅力的なことか語ってる本。

ちなみに私のおすすめの旅本は、


です。世界9万5千キロを自転車で走った話。

最近、帰りも遅くあまり本を読めていないのですが、他に読んだのはこれです。
これもお借りした本で、割と読んだことあるような自己啓発の内容が書いてあるのだけど、
他の自己啓発本よりきっとずっとおもしろい。自分でも買いそう。

これから読みたいのは、

いま読んでるのは最近はまってるブロガー、chikirinさんの自分のアタマで考えよう
この方の文章とても好きです。
ニュージーランドでは、友人の間で話題になってるものぐさ精神分析 (中公文庫)を読む。

amazonのほしいものリストをこの前数えたら、
80冊ほどほしい本があることに気がつき、合計8万ウン千円でした。
今年は旅にお金を随分とかけた年だったので、来年は本を読む一年にしようと思います。
といいつつ、旅行に行ってしまいそうだなあ、自粛しよう。お財布大ピンチ。
ほしいものリストにちゃくちゃくとほしい本が溜まっているのに、
実際に買う本は衝動的欲求で買ってしまいます。友だちがおもしろいと言ってた、とか。

リストが空になることはきっとずっとないんだろうな。
行きたい場所だって尽きることはない。
会いたい人も、
描きたいことも。

絵は年始から、キャンバスに描ければと思ってます。
今年は、世界にとっても、日本にとっても、私にとっても、怒濤の年でした。
伏見稲荷大社の大吉のおみくじを握りしめて、今年をきちんと締めくくれたらいいなと思います。

2011年12月11日日曜日

月食とブルーモスクはよく似合う

TRANSITのトークイベントに行ってきました。
今回のTRANSITはトルコ号。ブルーモスクが表紙です。
トルコは行きたくてたまらない国の一つ。いつか行くと思います。

イベントは、トルコ取材での写真をスライドで紹介しながら、
編集長とカメラマンがおしゃべりする形式でした。
好きな雑誌なのだけど、今の日本でこんな雑誌、他にないんだろうなと思った。
国を決めて、編集者(兼ライター)とカメラマン5名くらいが現地に赴き、各々取材や撮影をしてまわるらしい。
現地取材の計画書を出発前日に提出して、現地で決めながら撮影するカメラマンもいるらしい。
カメラマンも編集者も、独自の視点と拘りがかなり強い印象でした。
今時これ程好き勝手してる(ように見える)雑誌ってなかなか無さそう。
ずっと続いて欲しいなあ。

どの話もおもしろかったけれど、特に印象的だった話はふたつ。

ひとつは、わずか17年前に発見された「ギョベクリ・テペ」という遺跡の話。
この遺跡は、これまで最古とされてきた9500年前のシュメールを2000年上回る
1万5000年前のものということが判明し、
さらに驚く事には、その神殿の周囲には人々の定住の痕跡や、階級の痕跡が発見されなかったらしい。
つまりこれは、「人類の歴史が農耕よりも先に、狩猟民による宗教が存在した事を示唆して」いるらしいです。
(TRANSIT p.116より引用)
これは今まで考えられていた人類が定住とともに精神文化を発達させたとされている説を
覆してしまう大発見になるらしい。

とてもおもしろかった。
精神文化が発達していないとされていた農耕以前の狩猟の時代に宗教が存在していたとするなら、
人間ってなんだろう、動物との違いってなんだろうと考えたときに、
「祈り」は一つのキーワードになるのではないだろうか。
道具を使う、火を使う、言葉を使う、これらも人間の特性ではあるけれど、
道具や言葉は類人猿やイルカも使用する。火だっていつか克服するかもしれない。
「祈る」ことは「人類」の精神文化の起源といえるのではないだろうか。
今日は長電話をして、古代のアテネやスパルタ、ローマといった古代文明の話を
たくさん聞いて(私は無知なので頷いてるだけ)、
今週末は思考がタイムトラベルしているようでした。

もうひとつ、おもしろかった話は、フィリピン奥地のかなり変わった葬祭方式の話。
垂直に切り立った崖に棺桶を吊るす?か何かで、その上に十字架がぽんと横向きで立てかけられてる。
崖に何個も棺桶がくっついてる光景はかなり異質だった。
そんな形式をとるのは、世界中でもそこくらいらしいけど、
カメラマンの方の発言で、「死にまつわる儀式は、どこでも真剣でごまかしがない」という言葉がすごく印象的。
結婚式をはじめお祝いはどこでも似たような雰囲気があるらしいけど、
葬儀はそれぞれの地で全く違い、そしてどこでも真剣らしい。

この話がとても面白くて、世界の葬儀や墓について調べてみたいなと思った。
「どこでも真剣でごまかしがない」のは、生きる人の死に対する恐怖心が表れているからではないだろうか。

「祈り」はきっと根本的には「死」への恐怖を和らげるためのものだと思う。
プラスの幸せを生み出すよりは、マイナスを埋めるために宗教や祈りが存在していると考えてる。

動物は、死への恐怖を感じているのだろうか。
恐怖は感じるだろうし、子孫を残すための生存本能はあるだろうけど、
死を思い、恐れることはあるんだろうか。

「恐怖」は創造にどう関わりを持っているのだろうか、と考えています。

昨日、トークイベントの後、お酒を飲んでライブペイントをさせてもらう機会があって、
人の筆致と自分の筆致を見比べて、自分のものは如何に怯えているか、縮こまっているか理解した。
堂々と自信を持って、のびやかな線を描いてみたい。
初めての経験で、とても刺激的でした。
自分の弱さや、堅さ、恐怖心、すべて筆を通して表れる。
今の私を知るには、今の私の絵を見るのが一番いい。
最近鮫島さんとも話してたことだけど、改めて実感した。自分の弱さを楽しく感じた。
私の中に強く根付く恐怖心をどうすれば払拭させることができるんだろう。
そしてその時、一体私は何を創るんだろうか。


自分の頭の悪さ、回転の遅さに唇かんで涙を飲む日々です。追いつきたい人がたくさんいる。
2週間ほど読書を休んでいましたが、明日の通勤電車から再開しようと思います。

2011年12月8日木曜日

「世界制作の方法」と週末のはなし


個展をしたいな と考えています。
まだ具体的には決まってないけど、来年にはしたい。
計画中です。大きなキャンバスがマンションのエレベーターに乗るのかどうか、
まずそこから不安な状態ですが頑張ります。

最近は仕事が詰まっていて、朝は5時起き帰りは終電とかよくありました。
数日ホテル暮らしもしました。
己の未熟さに、歯痒さや、穴があれば入りたい気持ちを味わう日々ですが、
それでも楽しく仕事をさせていただいてます。

と言いつつ週末は、
くちばしニュートロンさんでのパーティに参加して作家さんとお話ししたり、
友人のレコ発ライブに行ったり、展示を見に行ったりしています。
国立国際美術館で今週末まで開催されている、
「世界制作の方法」「アンリ・サラ展」「中之島コレクションズ」がとても良かった。
3つの展示を見れて850円。なんでこんなに安いんだろう。今週末までなので行ける方は是非。

「世界制作の方法」は久しぶりに図録を買った展示でした。
クワクボリョウタさんの作品、話には聞いていたけれどとても良かった。
子どもの頃にあの作品を見れていたら良かったなあ、と思う作品だった。
金氏徹平さんの作品は自分の世界観に影響を与えてくれるような静けさだった。
一番好きな作品だったと思う。なんとなくヤノベケンジさんの作品を思い出した。ヤノベさんも好きです。
アートユニット、パラモデルの作品はわくわくしてインパクトはダントツだったな。
今回の展示のコンセプトに、
彼らは、インスタレーションといわれる展示空間全体を表現の場とする方法論が、場所性という外的要因に囚われて表現が硬直化していった状況に対して、表現することの根源的な地点まで立ち戻り、展示空間を自らの表現を確立する場として捉え直し、その方法論を再解釈するのである。
と掲示されていたのですが(http://www.nmao.go.jp/exhibition/index.htmlより引用)、
パラモデルの作品は、自分がどこにいるか分からなくなる感覚を味わえて、
自分の中では一番このコンセプトに当てはまる作品だったように思う。
「世界制作の方法」という展示名は哲学者ネルソン・グッドマンの著書に
由来しているらしいので、この本は必ず読みます。

アンリ・サラ展も興味深かったし、
前知識ゼロで行った中之島コレクションズがすごく良かった。
大好きなマーク・ロスコの作品を初めて生で見れました。
ポスターほしいなと思ってたけど、本物はそれよりずっといい。
もう一度と言わず何度も見たいです、ロスコ。
DIC川村記念美術館に行く計画、本気で立てよう。
来年奈良美智さんが横浜でされるらしい個展は見に行きたいし、
そのときに行ければいいなー。

今週末は、京造の卒展で一番印象的だった桃田有加里さんの個展に行く予定。
作品の表面がすごく綺麗で、丁寧に作られた作品って上品さがあることを知った。
油を始めた今、また見え方が変わっているといいな。楽しみです。

あと、好きな雑誌「TRANSIT」のトークイベントに行こうかと思ってます。
予約のお返事待ち中。

最近、鮫島さんとお話する機会があって、
自分の考え方や絵を描くことについての想い、時間軸の捉え方等々、お話しして、すごくすごくおもしろかった。
同じ「描く」人でも、「描く」ことに対する感覚に大きな違いがあることが分かった。
ここ数ヶ月で「描く」というより「表現する」、「創る」行為にシフトしてる感覚があったけど、
それがもっと鮮明になった気がします。
自分にとっての「創る」をもっと模索していきたい。
人と話すのって楽しいんだって、改めて感じた機会だった。嬉しい。




朝6時の通勤風景


今年は、自分にとって大きな変化があった年だった。
年明けしてすぐにHidari Zingaroで展示をさせていただいた。
ものすごく辛かった出来事もあった。
夏になるまでは泣いても泣いても泣ききれず、毎晩のようにぐずぐずしてた。

その時期から本をよく読むようになって、考え方が大きく変化したと思う。
自分の至らないところ、知らない世界にばかり目がいって、自分の浅はかさを恥じて、身の程を思い知らされた。
でもその分、知りたいことがたくさん出てきた。考えたいことがたくさん見えてきた。
何を考えるべきなのか、何を知るべきなのかが見えてきた。苦手だったものが少しだけ好きになった。
昨年より多くの人と知り合えて、昨年より多くの人と深いコミュニケーションが取れた。

去年の自分よりは、今年の自分はみっともなくて情けなかったけど、それに気付けた分今の方がずっと好きだ。
当たり前のことを考えられる人間になりたい。

2011年は忘れられない年になる。3.11を筆頭に。
2012年が社会にとって、自分にとって、どんな年になるかまだ分からないけれど、
2011年に変化した自分をもっと磨いていきたいです。