2015年4月18日土曜日

幽霊たちにまみれて

転職して、毎日のように良かった、と思うのは、夕焼けを見られること。
大きな窓から差し込む夕陽、積雪、野生の鹿(?)、満開の桜、桜吹雪、広い空、膝の上の野良猫。
四季を感じながら毎日を繰り返すって、とても大事だ。太陽を感じないと体が弱る。
そしてとうとう春がきた。春はもう世界の匂いが違うのだ。おなかいっぱい息がしたくなる。









最近読んだ中で一番おもしろかったのは、ポール・オースターの「幽霊たち」。
自分の経験や、自分の見ている世界なんて、いかに不確定なものか。
美しい混乱だった。

混乱を与えたい。
最近はとかく、一から十まで説明する世界になっている。
子どもたちは、説明書を読みながら社会を歩むんだろうか。
崖っぷちの足元すら見えていないよ。

アリスのように混乱と不安にまみれて、考え続けて、わからないまま、10年後にふと答えが見つかる(こともある)。
そんな問いを投げて、考えさせてくれる大人ってかっこよくて、誠実だと思うのだ。
紅茶を飲んで、考える時間に付き合ってくれるのだ。
20年経ったってそんな大人になれている気はしないけど、
そんな大人に囲まれていることの幸運を正しく自覚したい。


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