2012年12月26日水曜日

生まれ続ける物語

バベル スタンダードエディション [DVD]
バベル スタンダードエディション [DVD]
ギャガ・コミュニケーションズ 2007-11-02
売り上げランキング : 21414


Amazonで詳しく見る by G-Tools

言葉があふれそうになったので、こんな時間にブログを書きます。

今日は少し早く帰れたので、映画「バベル」を見ました。
とても悲しくて、とても良い映画でした。

まず、「バベル」というタイトルが素敵だと思った。
別々の言語を話す、別々の国の人たちがそれぞれの世界の中で、
それぞれの問題にぶつかりながら生きている話で、
それぞれの問題でありながら、ひとつの出来事で少しだけ結びついている。

ストーリーに関して詳細は省くけど、
モロッコ、アメリカ、メキシコ、日本、それぞれの場所で生きている登場人物たちは、
生き方は全く違えど、誰かを大事に想い、誰かに助けられ、誰かを傷つけ、気持ちを動かされている。

誰しも、自分ではどうにもできない悲しさを抱えている。
「どうにもできない悲しさ」に気付いている、気付かされる。

「どうにもできない悲しさ」は、今、この現実にもみんな抱えているものだと思う。
それは、私には想像もできない過酷な現実もあるだろうし、孤独感もあると思う。

孤独感ってなんだろう、と、この2年くらいずっと考えてきた。
誰もが抱えていて、誰も救えない。救われない。
孤独感からの解放を求めて、恋や酒や食や性に溺れてみたり、自己表現したりする。
でも結局、完全な解放はありえないのだとどこかで気付いてしまう。

私もずっと、孤独感からの解放を求めて、あがいてきたと思う。
今でもそうだと思う。
でもやっぱり解放される事はない。

「バベル」の泣けるところは、
人は、誰かの「どうにもできない悲しさ」をどうにもできないと知りながら、
それでも救いたいと思うものであることが、描かれているところだ。
救えない孤独感を、それでも救いたいと手を差し伸べることに、愛を感じるからだ。

私が好きだと思う映画や物語は、決まって、孤独感と丁寧に向き合っていることに気付いた。
私が好きだと思う人たちは、孤独に気付いている人が多いことに気付いた。
私の愛は、大事な人の孤独感を、埋める事ができないと知りながらも、
それでも、少しだけでも、埋めることができればと願うことに気付いた。
私の絵が、誰かの孤独感に共鳴し、寄り添うことが出来ればいい、と思う。

人の孤独は全部は救えないけど、ちょっとは救える。
救いたいと願う。
だから私は人が好きだ。その可能性を信じたい。
私は今日、頂いた一通の手紙に救われました。
その手紙は、きっとこれからの私の自信になり、支えになり、勇気になり、力となる。



今年は良い映画にたくさん出会えました。
特に覚えているのが、「レナードの朝」、「ダークナイト」、「ドッグヴィル」。あと「皇帝ペンギン」。
好きなものの共通するキーワードが「孤独感」であることには気がついたけど、
個々の物語は無数に生まれ続ける。一生それを追い続けていくのだろうと思う。

物語と別のところで、好きな映画は、映像の湿度にあると思ったのですが、
それはちょっと眠いので別の日にかきます。。。。

「バベル」の映像は、国ごとによって別の監督が撮ったのかと思う程、すばらしかったです。
日本のシーンは邦画のような湿度を感じました。(夜の室内は少し中国の映画の様な青さを感じたけど)
まるで旅行をして、各国の空気に触れた気分です。

気付きのある、よいクリスマスでした。
おやすみなさい。

2012年12月13日木曜日


告知
CDジャケット、歌詞カードのデザインをさせていただいた、
イソフラボンのフルアルバムが明日から発売されます。
本当に良い音楽なので、ぜひ皆さんに聞いてもらいたいです。
歌詞カードの方も、長い付き合いの2人とだからこそ、いいものが作れたと思います。
明日レコ発ライブです。詳細はこちら



***
つい最近、あるものにとても憧れて、高揚した。
久しぶりにどきどきするものに出会えた。
その時に自分は自分のフィールドで戦おう、と思った。

今まで、憧れる人や、作品に出会った時、
どんなにジャンルが違っても自分と比べてみじめな気分になり、自信を失ってた。
でも今回は、私には私の戦える場所がある、と思えた。
決意だけしても意味はないけど、何を行動すればいいのか、
目標ができたので分かるようになった。

それが今年の収穫だと思う。
めざす方向を定めることができた。
そのためにどう動けばいいのか、少し分かった。
来年はもっともっとたくさん動こうと思う。
頑張ろうと決意することは、頑張ってることにはならない。
継続して行動することが一番大事。
私が憧れるのは、天武の才だけでなく、そこからの努力の軌跡だ。
普遍的なことしか言ってないけど、それでも、
「自分には自分の戦うフィールドがある」は、
今まで絶対に出てこない言葉だったので、純粋に嬉しく感じました。

明後日引越しです。
次の家は、今までと違う暮らしができたらいいな。