2014年4月25日金曜日

熟すということ


あっという間に4月が終わりそうです。
大きな仕事が一区切りして、ほっとしているところです。
毎年忙しい季節ですが今年は桜をたくさん見ることができました。

ここ最近たくさんの嬉しい出来事がありましたが、ひとつに文楽を観に行けたことがあります。
大学の授業で映像を見てから興味を抱きつつも行けていなかったのですが、
3月末に現代芸術家の杉本博史さんが監修された杉本文楽を見てすっかり虜になりました。
歌舞伎にはそこまで惹かれないので、人形が可愛らしかったことが理由の一つかと思います。
そして想像以上に太夫さんの語りが分かり易い。特に台詞に関しては現代語のようで聞き取りやすいです。
更に意外と笑ってしまうシーンが多くて、それも案外悲壮なシーンの中で笑いを挟んでくるので、退屈になりません。
(先日文楽劇場に観に行った「菅原伝授手習鏡」では、娘が殺されているのを発見して母親が泣いているシーンがあり太夫さんの語りも悲しげなのに、横でおっさんの人形が裸で激しく身体を拭いていて、どこからつっこんだらいいのか分からなかった)

文楽にすっかりはまってしまった最近ですが、会ったことも無い曾祖父の唯一の趣味が「文楽を観に行って帰りに鰻を食べる」ことだったと知りました。
もし話ができたなら、お勧めを教えてもらえたのかもしれません。
曾祖父が見ていた技芸員さんはもう舞台上にはいはらないのでしょうが、演目は同じものを見ることもあるのでしょう。
なんだかふしぎな気持ちです。

文楽を見ていると、30代くらいの年代でも随分若い技芸員の方という印象を受けます。
実際の技術的にも素人でも分かる程、ベテランの方と大きな差がありました。
働き出して5年目の私も、社会人年齢で考えたら、まだまだまだまだ未熟者です。
3年くらいしてから、周囲では転職する人、独立する人が増えてきましたが、まだまだそんな自信も力も身についている気がしません。
最近、社会人の人生を大学の学年に例えたら、今はまだ1回生くらいだなと思いました。
私は小中高でも大学でも1年生より上級生になるにつれて楽しくなっていったタイプです。
時間はかかる方だけど、ずっと生きる力を身につけていきたい、熟していきたいと文楽を見てて思いました。

教えてもらって読んだ三浦しをんのエッセイ、「あやつられ文楽鑑賞」と小説「仏果を得ず」はどちらも大変おもしろかったので、文楽鑑賞前の入門書におすすめです。

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明日は今年に入って初めて?くらいの、何も予定のないひとりの休日です。
本を読んで映画を見て絵を描いて掃除と洗濯をして長風呂をしたい。