2014年6月3日火曜日

アフォガードにはまる初夏



真夏の暑い日、ゆらめく陽炎を眺めながら感じる退屈さは、夏休みの記憶だと最近気がついた。
蝉の声が聞こえて、足下から湯気が立ちそうな影の濃い真夏日。
仕事をしていて、夏休みなんて一週間もない、もうじき27歳の私でも、
夏のゆらめきは退屈でけだるくて、とても好きだ。

最近読み終わったのは、
湊かなえさんの「花の鎖」、
島本理生さんの「一千一秒の日々」、
ようやく読み終わった瀧本哲志さんの「僕は君たちに武器を配りたい」、
 デイヴィッド・ミーアマン・スコットとブライアン・ハリガンの「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」。
二人がいかにグレイトフル・デッドを好きかよく分かって楽しそうな本だった。
あと、岡田斗司夫さんとかもこっそり読んでいる。
もうじき読み終えそうなよしながふみさんの対談集、「あのひととここだけのおしゃべり」は、
仕事に対するストイックさ、熱心さ、楽しさが伝わってきて、読み進める毎に、
「ああ、絵を描きたい!」「何かを作りたい!」と引っ張られるような本だ。
並行して読んでいる矢部 嵩さんの「〔少女庭国〕」は半分程読んだけどさっぱり展開が読めない。
今の段階ではそんなまさか、と思うようなことばかりだけど、
最後まで読み終わったらどうなるのか、早く読み終わりたい。

今週末は3年ぶり2度目の台湾に行きます。
台湾に関するレビューを集めた本も読んだけどそれはあんまりだった。
台湾が舞台の小説、吉田修一さんの「路(ルウ)」を読みたかったけど、行くまでには間に合わなさそう。
台湾は何度でも行きたくなるから、次の時までに読めたらいいな。

2014年5月19日月曜日

アクト・オブ・キリング



先日、映画「アクト・オブ・キリング」を見てきました。
1960年代にインドネシアで繰り広げら­れた大量虐殺の加害者たちにその再現をさせているドキュメンタリー映画。
見終わった後もなかなか席を立てなかった。

1000人以上も殺したと言う殺人者たちが目の前のスクリーンに映っていること、
自分たちがした殺人の話をさも当然のように話していること、
そして、映画が進むにつれて、彼らが人を殺してきた過去をもう一度考えていく姿、
この映画によって、今後の人生が変わる人がどれだけいるんだろうと思った。

私はこの映画を一生忘れることはないと思う。

2014年5月9日金曜日

なぞなぞ


高校生の時に読んだ加納朋子の「ななつのこ」と「魔法飛行」を久しぶりに読み返し、
出ていたことを知らなかった、シリーズ3作目の「スペース」も読みました。
1作目の「ななつのこ」が一番好きです。
ある絵本を愛読する短大文学科の女の子が、日常の謎をファンレターに書いて作者に送ったところ、まさかの解答付きで返事が届く連作短編集。
今読んでもいい作りだなと思います。ささやかな蛇足や比喩表現、作者の視点がとても好きです。

しかし謎というものは、私の日常からはすり抜けていってしまうようです。
「いつだって どこでだって 謎はすぐ近くにあったのです。」
という「ななつのこ」の帯コピーはとても素敵で印象的です。
小さい頃は歩く道々謎だらけだったものでした。
世界を「見慣れた」と思うのは傲慢かもしれません。


最近他に読み終わったのは、
村上春樹の新刊短編集「女のいない男たち
野崎まど「[映]アムリタ
三浦しをんの「きみはポラリス
などです。
村上春樹の新刊は読書会に参加したのですが、なかなかの批判されっぷりでした。
私はビートルズのイエスタディに関西弁の適当和訳をつける男の話、「イエスタディ」が一番好きです。

読み散らかしている本には、
などなどあります。
小説は一気読みできるのですが、それ以外はついつい読了前につまみぐいをしてしまっています。

とはいえなかなか本を読む間もないゴールデンウィークでした。
写真を撮って、人と話して、鴨川を横断して、猫を触って、本を買いこんで、
おいしいものをたくさん食べました。


2014年4月25日金曜日

熟すということ


あっという間に4月が終わりそうです。
大きな仕事が一区切りして、ほっとしているところです。
毎年忙しい季節ですが今年は桜をたくさん見ることができました。

ここ最近たくさんの嬉しい出来事がありましたが、ひとつに文楽を観に行けたことがあります。
大学の授業で映像を見てから興味を抱きつつも行けていなかったのですが、
3月末に現代芸術家の杉本博史さんが監修された杉本文楽を見てすっかり虜になりました。
歌舞伎にはそこまで惹かれないので、人形が可愛らしかったことが理由の一つかと思います。
そして想像以上に太夫さんの語りが分かり易い。特に台詞に関しては現代語のようで聞き取りやすいです。
更に意外と笑ってしまうシーンが多くて、それも案外悲壮なシーンの中で笑いを挟んでくるので、退屈になりません。
(先日文楽劇場に観に行った「菅原伝授手習鏡」では、娘が殺されているのを発見して母親が泣いているシーンがあり太夫さんの語りも悲しげなのに、横でおっさんの人形が裸で激しく身体を拭いていて、どこからつっこんだらいいのか分からなかった)

文楽にすっかりはまってしまった最近ですが、会ったことも無い曾祖父の唯一の趣味が「文楽を観に行って帰りに鰻を食べる」ことだったと知りました。
もし話ができたなら、お勧めを教えてもらえたのかもしれません。
曾祖父が見ていた技芸員さんはもう舞台上にはいはらないのでしょうが、演目は同じものを見ることもあるのでしょう。
なんだかふしぎな気持ちです。

文楽を見ていると、30代くらいの年代でも随分若い技芸員の方という印象を受けます。
実際の技術的にも素人でも分かる程、ベテランの方と大きな差がありました。
働き出して5年目の私も、社会人年齢で考えたら、まだまだまだまだ未熟者です。
3年くらいしてから、周囲では転職する人、独立する人が増えてきましたが、まだまだそんな自信も力も身についている気がしません。
最近、社会人の人生を大学の学年に例えたら、今はまだ1回生くらいだなと思いました。
私は小中高でも大学でも1年生より上級生になるにつれて楽しくなっていったタイプです。
時間はかかる方だけど、ずっと生きる力を身につけていきたい、熟していきたいと文楽を見てて思いました。

教えてもらって読んだ三浦しをんのエッセイ、「あやつられ文楽鑑賞」と小説「仏果を得ず」はどちらも大変おもしろかったので、文楽鑑賞前の入門書におすすめです。

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明日は今年に入って初めて?くらいの、何も予定のないひとりの休日です。
本を読んで映画を見て絵を描いて掃除と洗濯をして長風呂をしたい。

2014年3月17日月曜日

電車にのって

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大阪の交通科学博物館が閉館するとのことで行ってきました。
電車や飛行機、車の模型はもちろん、昔の車の広告や、電車のヘッドマークの展示など、想像以上に濃密で楽しかったです。
2年後に京都に移転とのことでなくなるわけではないようでした。

古い切符や昔の電車のセットを眺めながら、皆どこに旅だって、どこに帰っていったのかなあと想像しました。
私は電車自体にそれほど興味を抱かなかったですが、
旅をする人やその気持ち、また、電車を作る人たちのことを考えることができた場所でした。

旅をすることは今まで自分にとって大きなテーマのひとつでしたが、
最近、本や映画といったコンテンツに浸かることもまるで旅のようだと思うようになりました。
そのコンテンツについて、誰かと話している時間はまるで共に旅にでているような、そんな気持ちです。

最近はそんな旅で随分あちこちに出かけています。

2014年3月11日火曜日

3年

08

09

3年前の様々なことは、もう3年であったり、まだ3年であったり、
時間感覚がのんびりしているけれど、311だけはもう3年も経ったのか、と思う。
ちょっぴりの募金しか実際の関わりは持っていないけれど、
あれから出会った人や本や作品や情報に、311は前提として必ず入ってくるものだから、この3年間地盤のひとつとしてあり続けた。
それでも今日になってあの時のこと、あの時のtwitter、あの時のテレビを思い出したら、少し唇が震えます。
被災地の人が少しでも早く安心して暮らせるようになればと思います。

3年前のあの時期は、自分の気持ちが竜巻のように混乱していた時期で、数ヶ月毎日のようにべそをかいてた。
あの時から3年経って、一緒にいる人たちや、住む家は変わって、職場は変わっていない。
毎日泣いてはいないし、むしろ笑うことが増えた。
3年間で大きく変わったことも、何も変わっていないこともあるけれど、
自分のできることをして、自分も自分の好きな人たちも大切に過ごしてしていきたいです。

2014年3月10日月曜日

藍の名残をまとう



6「亀は万年」の万年って何年だろうって話をしたなあという落書き

窓から差し込む光がなんとなく柔らかくなってきて、春が近付いたのを感じています。
今年の冬は一度だけ風邪をひいたけれど、昨年よりは寒くも、淋しくもなかった。

2月は、最初に東京に行き、ミヒャエル・ボレマンス、O JUN、大槻香奈さんの展示を三本立てでダッシュで見て回りました。
どれも今年ナンバーワンになりそうな程素晴らしい展示で、行けて本当に良かった。


会場で大槻香奈さんにいただいたこのシール、大事にします。
未だにどこに貼ろうか悩んでいる。

(元々好きだったけど)すっかりボレマンスに魅了され、建仁寺で開催されたボレマンスの企画展も見に行きました。
茶室に展示されるボレマンスの墨絵ももちろん良かったですが、
雪が散らつく建仁寺のお庭や、生けられたお花が素晴らしかったです。
絵に負けないというか、絵より静かで更に強い。

それ以外では、京都の芸大(京芸、精華、京造)の卒業制作展に行ったり、
「ヨハネスブルグの天使たち」という小説の読書会におじゃましたり、
徹夜明けで仕事してそのまま節分パーティに参加したり、
杉本博史さんと浅田彰さんの対談を聞きに行ったり、
思想家の東浩樹さんが京都で研究会にいらしてたのでそれにちょっとだけ参加したり、
大学同期の結婚パーティに行ったり、
東浩樹さんの「セカイからもっと近くに」の読書会に参加したりしていました。
「ヨハネスブルグの天使たち」は、全体的にはそれほど好みの小説ではなかったけれど、
日本製女性型アンドロイドが毎日大量に空から落下し回収されるシーンがとにかく美しくて素敵でした。
そのシーンだけでも読めて良かったです。

今月末は、杉本博史さんが手掛ける文楽、「曾根崎心中」を見に行きます。
現代芸術家の束芋さんの映像作品も絡んでくるようです。
残念ながらそれまでに、文楽劇場で行われている元々の文楽公演を観に行くことは
できませんでしたが、ずっと観に行きたかった文楽、とてもとても楽しみです。

昨日は、夜の公園で久々にブランコを漕ぎました。
のけぞって、上を見上げたら少しだけ桜が咲いていた。
暗闇でも桜の白は浮き上がるのはなんででしょう。
毎年桜を見ているけど、今年の桜はいつもよりずっとずっと楽しみです。

2014年1月17日金曜日

no title

1


2 短歌をモチーフにした絵

今年からは何枚描いたかをきちんと数えて、一年に何枚描いたかを可視化していきたいと思います。
たくさん吸収して、たくさん描く年にしたい。
吸収と放出のバランスを整えたい。
昨年より多く更新したいです。

2014年1月14日火曜日

2014














今更ではありますが、あけましておめでとうございます。
昨年もたくさんの方と知り合えて、素敵な一年でした。
大変お世話になりました。
今年もどうぞよろしくお願いします。